4月16日の放送は音声が聞き取りにくい状態でした。リスナーの皆様にお詫び申し上げます。今後ともだっちみんだっちみんをよろしくご支援くださいませ
だっちみん 安島青年団416
こんにちは。海の側の家、ハウスアムメーアから三宅小百合が・・・・というところですが・・・・・・ごめんなさい。美人で、美声の三宅さん、お休みです。ラジオでその美しさをお伝えできないのが残念です。代わって今日は、私、・・こちらは、ラジオでよかったという森岡が、「だっちみん、だっちみん!」とお届けしますのでどうかよろしくお願いいたします。
さて、安島では、盆も正月も非じゃないくらい、一番、力の入る「安島祭」、または「雄島祭」といいますが・・・その祭が4日後の4月20日に迫っています。
ハウスアムメーアが、安島に建ってから、8年目に入っていますが、やっと一昨年前から神輿も休憩に立ち寄ってくれる場所になりました。初めて神輿が立ち寄ってくれたときは、安島人としての市民権を得たような気分でほんとうに嬉しかったです。
で、今日は安島人として誇りを持ってこの祭に関する話をさせていただきます。
その前にちょっと音楽でも・・この番組のタイトルにも流れています
③T.REXの「Leen Woman Blues」(2‘51)
安島にはこれも歴史の古い大湊神社があります。「雄島祭」は海の安全と豊漁を祈願する大湊神社の祭礼なんです。千年以上の伝統があるといわれています。
この祭の見どころ・・・見所を絞るのは難しいんですが・・・というのは・・・・一日中、神輿に付いて歩けば安島の美しさ、全てがわかる・・・という祭ですから・・・全部ご紹介したいくらいですが、時間もないので、敢えて、私の中での4ポイントをご紹介します。・・・・・まず一つは、神輿が出発するときです。子供神輿、乙女神輿、舟神輿と・・次々と神社境内を出発しますが、とくに男たちに 担がれた舟神輿が出るときのエネルギーは凄いです・・・待ちに待った瞬間に、みんなの集結されたエネルギーが、一気に爆発するようで、うかうかとカメラなんかまわしていたら神輿に踏み倒されそうになりますからね。
その勢いで経内を少し、暴れまわってから順路につきます。出発は10:45ぐらいかな。
男たちが担いだ舟神輿は陸路を通って東尋坊の断崖まで行き、安島漁港から漁船に乗って東尋坊までやってくる乙女神輿を待ちます。ずらーっと鯉幟が並んだ赤い、雄島の橋をバックに乙女神輿をのせた舟が近付いてくるのを、安島太鼓を打ち鳴らしながら待ちます。
断崖の真下に乙女神輿の船が着くと、海上から乙女たちは手を振り、岩場から、男たちは神輿を高々とあげてそれに応えます。、・・・この短い対面を「逢瀬」と呼んでいます。綺麗な名前ですね。断崖と海面との距離がなんとも切なく、ロマンチックです。これが見所の二つ目。でも、「逢瀬」は海が荒れれば中止となりますから、なかなか見れないんですね。祭りの日はなんとか晴れてほしいです。
この場面が、ちょうど正午ぐらいでしょうか・・・ここでみんな昼食となります。ヨカロウさんで。
見所の三つ目は夕方、5:00頃の安島漁港です。神輿を担いだまま男たちが春のまだ冷たい海に入って行きます。それを女達が心配そうに見守るシーンは何度見ても感動もんです。この時ばかりは、若者といっしょに、年甲斐もなく・・・ 還暦をとっくに過ぎた男たちも、海に入っていくんです。それを、普段はそっけなくしている奥さんでも、必死になって止めるです・・・・・・・・安島の男たちは・・・聞きませんけどね。
で、奥さんは、対岸に走る。大きなバスタオルと着替えをもって・・・・。
男たちは、神輿が沈まないように、必死で泳ぎ、対岸の防波堤から上がってきますが・・・毎年、不思議と誰一人救急車騒ぎにはならない。雄島の神様が守ってくださってる?
ずぶ濡れになった男たちの背中からの白い湯気、女たちが準備した熱い 豚汁からの湯気、 そして暖をとる焚き火の煙で、夕方の安島漁港が、白いもやに包まれます。
祭りの荒々しさと優しさが、いっしょになったような・・・・ 光景かな・・・・・・。祭りのハイライトかもしれません。
そして興味深いのが祭の最後。朝早くから神輿を担ぎ、酒を呑み、海に入り、また酒を呑みながら・・一日中、安島を練り歩き、神輿が大湊神社の境内に戻ってくるのは遅いときは夜、8:00頃になっているでしょうか・・・これが見所の最後。
男たちは神輿を納めなくてはならないのですが、納めてしまえば、祭は終わる・・・そこで「やれやんなー」が始まるのです。多分「やれ」は納めなくては・・・で「やんなー」はまだまだ嫌だという掛け声なのだそうです・・・とにかく「やれやんなー、やんなやれー」と掛け声をかけながら男たちがふらふらになって神輿をかつぎ境内を暴れまわるんです。酒に酔った男のやんちゃさかげん、かわいさが全てそこにあるようでこの場面も面白いですよ。
で、なんかの拍子に、神輿が納まってしまって、この「やれやんなー」がぴたりと止まります。その一瞬が「祭」の終わり。
その一瞬を感じると、その場に居合わせた安島の人たちはさーっと、帰ってしまうんです。
初めてこの光景を見たとき、私は「えっ?何、何?・・・これで終わりってこと?・・・
こんなにプツンとおわるの?」ってなりましたが・・・安島を知っていくにつれ、これは、素適な祭りの終わり方だな・・・と納得できるようになりました。力一杯、祭を楽しんだから、もうどこにも力が残ってないんです。
プツンと終わるって、ほんとうは、とても自然な終わり方なんでしょうね。
ところで、この青年団が、先月14日の夜に、ハウスアムメーアに集まりました。祭り前の青年団の楽しい雰囲気を収録しましたのでお聞きください。
実は、安島ではこの祭を執り行うのは昔から18歳から30歳過ぎくらいまでの青年団なんです。4月に入ると、若者は、夜な夜な青年会館に、集まって、祭の準備をしていきます。準備をしながら酒を飲み、話をし、みんなが、少しずつ仲良くなっていく・・・・・・・・・そんな中で自然と自分たちの足元・・・地域の文化を再認識するんですね・・・・・・こういう場や、時間・・・今、なかなか持てないと思います。祭もいいけど、祭を前にして安島中がそわそわしている空気・・・というのか、それがまた楽しいです。
青年会館・・・今夜なんか、もう、かなり盛り上がっていると思いますよ。
そして、その中心になっているのが、その年の団長。
毎年、不思議に思うくらい、祭りの後、団長をやり終えた青年はみんな、ぐーんと大人になっているんですね。祭が大人にしてくれる・・・・
みんなで、団長を盛り上げ、祭を成功させようとする青年たちのすがすがしさにも感動しますが、私はもう一つ・・・感心していることがあるんです。それは、祭の仕切りを、ポーンと若い人たちに任せてしまうここの大人たちです。一切口出ししない。遠くから見守り、さりげなく助ける・・・偉いなーって思いますね。これが千年以上続いている、祭の秘密じゃないのかなあ・・・って私は、思っています。
4月20日、脇役に徹してる、安島の大人たち、長老たちの姿を見るのも、またこの祭の面白いところかもしれません。
さて時間が迫ってきました。忘れないうちに・・・・番組へのアクセス
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私の独断と偏見からの選曲なんですが、安島祭を見ていると、感動する場面でいつも頭の中に渦巻く曲が何故か、T,REXなんですね・・・・・・暴力的だけど、優しく、自然な息使い・・・宇宙的なサウンドの彼らの音が何故かこの祭にぴったり・・と感じるのは・・・やはり私だけとは思いますが・・・T.REXの「Jeepster」を聞きながら今日はお別れしたいと思います。
TREX 「JEEPSTER」(4’10)
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